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Be praying. Be praying. Be praying.
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ブラウザをLunsascapeからIronに変えました。慣れないところもあるけどさくさくしていい感じです。
そのことを友達に話したら変える前のブラウザも変えた後のブラウザも知らんと切って捨てられました。




紅勾。
あやうい表現はないけどシチュエーションとしてやってるというかやろうとしてるので一応続きから。

拍手[12回]

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 別段何があったというわけでもない。ただ午前一時も過ぎてみなが寝静まってしまった後に、なんとなくまだ眠たくないからとなんとなく他愛無い話をしているうちに、またなんとなく空気が甘やかなものになって、それ以上の何かを別段望むわけでもなく、ソファの隣に座っていた勾陣の細身を引き寄せて抱き寄せて凭れ掛からせて髪を梳いて、時折思い出したかのように口付けをして額を触れ合せて、あるいは彼女の方から頬を押し付けて耳元で笑って、そんなことをひそやかに繰り返した。むせ返るほどの甘さに取り巻かれながらしかしそこはどこか子供同士の無垢な秘密か、そうでなければ平和な獣のじゃれ合いに似た空気が漂っている。自分たちはいつもこうだ。体を求める時もあるけれど、それ以上にただゆっくりと共に時を数えようとする。癖、とは少し違う。自然な在り方として落ち着いただけだ。
 ふと、紅蓮の肩口に額を押し付けていた勾陣の体からとろとろと力が抜けたのが分かった。
「勾? 眠いか?」
 壁掛け時計を確認すると二時七分前を指している。声を潜めて問いかけ少し覗き込むと、ごろごろ喉を鳴らす猫のような表情が八割夢路に引きずられながら辛うじて紅蓮を確認した。そんな顔もするんだなと滅多にお目にかかれない表情ににやける頬を正す努力もしないで、紅蓮は少し体勢を変えて彼女が楽なように引き寄せ支えた。いまベッドに引っ張っていったら逆に起こしてしまうだろう。
 幼子を寝かしつける時のように背を撫で、また一定間隔で優しくあやす。勾陣は時折悪気なしの自然体で紅蓮に対し上から目線の子供っぽさを閃かせるが、それは忘れたころにこんな風に可愛げとして顕わになる。頻度で言えば紅蓮を困らせて振り回して面白がる悪質さとして出現する方がよっぽど多いが。
 時計が二次五分前を指すより早く彼女の呼吸が寝息になった。そっと横抱きに抱えると彼女はかすかに身じろいだが、すぐに紅蓮の腕に上手いこと収まって大人しくなる。先ほどの表情と同じく寝顔もどこか幼く見えた。これを拝むことができるのは紅蓮の持つ特権の一つで、そして彼はそれをいたく気に入っている。
 おもむろにささやかな欲求が湧き出た。それを少しも阻害する何かはなく、紅蓮は普段の彼を思えばありえないほどすんなりと溢れた心を言葉に変えた。
「…………愛してる、勾」
 聞こえていないと思えば簡単に言える。告げてやりたいと思う気持ちはあるが、三十分前に言っていればどんな顔を見せてくれたかなと想像はするが、気持ちと現実は別である。それに彼女の性格を考えれば頑張ったところで「知っている」と笑顔で受け止められそうだ。それが悪いとは決して決して言わないが。
 腰を上げ、たまたま置きだしていた誰かがいたりしてそいつと鉢合わせなどしないようにと願いながら彼女の部屋へ向かう。別に何か不都合があるわけではないが、なんというか、たぶん後後面倒くさい。
 暦の上では春が来て二週間経ったが冬は名残どころか現在進行形でまだまだ活発だ。廊下も数時間無人だった部屋もひんやり寒い。塞がった両手でしかし器用にドアを空けた紅蓮は、そのまま真っ暗な部屋に入り込み軽い体をベッドに寝かせる。毛布を肩口までかぶせてやったとき、シーツが冷たかったのか、彼女の瞼がかすかに震えて暗闇よりもなお深い黒がうっすらと眠気にぼやけながら開かれた。
「ほら、おやすみ」
 紅蓮はそう言って二、三度毛布の上から勾陣の肩を軽く叩いたが、勾陣は相変わらず眠たそうな色を隠そうともしないまま、けれど両手を伸ばして紅蓮の首筋へ絡ませた。
「勾?」
「……もう一度」
 簡素な一言に、しかし紅蓮はぎくりと強張った。
 わざわざ記憶を振り返るまでもなく心当たりはあって、けれどまさかと思いながら紅蓮は錆びそうな声で聞き返す。
「聞こえてた、の、か?」
 だが、たぶん聞き返した言葉が間違っていた。というより、聞き返すという選択が間違っていた。しらを切ってさっさと眠りに追い落とすことだっていまならできたのだとまさにいま気付く。
 勾陣は重たげにまじろぎながらのどの奥で笑った。
「ああ。聞こえた」
「いや、あの、あれは」届かないと高をくくっていたからこそ安心して言えた本心であって、安っぽい口説き文句などでは決してなかったけれど、それでもこんな事態は予想外で、紅蓮は何度も口を開閉させる。目が泳ぎ、頬に熱が集まるのが分かった。脈打つ音まで聞こえてきて、全身が心臓になった気分だった。「いや、別に、戯れじゃない、が、あれはその」
 完全に混乱しながら腑抜けた顔をして言い訳まで始めた紅蓮に、勾陣は一つ欠伸を噛み殺して「いいから」と言った。
「眠い。から、早く。おかわり」
 首に回った腕にきゅうと力が籠る。心臓が跳ねて、息を忘れた。そんな言葉を言わせてなお、逃げることはできなかった。紅蓮は引き結んだ唇を言葉を探してわななかせたあと、泳がせていた視線を彼女に据え、いたくぎこちない動きで白い耳元に口を寄せると、呼吸ひとつ分の静寂を待って、ささやき声で心からの言葉を届け直した。

拍手[13回]

 紅蓮は寛容なたちではあるが、それでもへたれだの甲斐性なしだの面倒くさいだの好き放題な言い分に嫌味の一つでも返してやりたい気分になることもある。
「……だったら他の男を探せばいいだろ、俺は別に応援するぞ」
 不機嫌も顕わな紅蓮の声に、ここで慌てて弁解するくらいの可愛げがあればいいものを、勾陣はまじまじと彼を見つめてため息交じりの呆れ顔だ。
「拗ねたか?」
 そして悪びれもせず返ってくるのはそんな言葉で、紅蓮は思わず半眼になる。別に傷つけたいとかいうつもりではなかったが(半分嘘、喧嘩上等、くらいの心持ちはあった)、もうちょっとこう、反応の仕方というものがあると思う。
「別に」
「はいはい」
 あからさまにあやすための手が頭上に伸びてきて、紅蓮は無造作にそれを払った。
 勾陣は紅蓮に対して容赦がない、と言うか遠慮がない。それは言葉だったり動作だったり端々に現れて、自分で求めて共に歩むことを決めた相手によくもそこまで、と紅蓮はたまに怒るを通り越して感心する。今更、たとえば天一のように大事に大事に扱ってこられても、天后のようにおどおどとこちらを気にかけてきても、それはそれで気味が悪いが。むしろそんな勾陣はありえなさすぎて想像力が拒否をする。
 だからと言っていつもいつも受け流せるほど紅蓮の器は大きくない。
 仏頂面を崩さない紅蓮に、勾陣はもうひとつ息を吐き出して肩をすくめた。
「分かった、騰蛇、悪かったよ。言い過ぎた」
 引き際が上手いあたり彼女はずるい。普段ならこれでこの話は終いだ。けれど今日はそんな気分にもなれず、紅蓮は黙ったままカップを傾ける。ローテーブルに中身が三分の一ほどの状態で放置していたブラックコーヒーは冷め切っていたく不味い。
 みっつめの溜息はひどく静かだった。ソファの隣で彼女が座りなおして深く凭れた気配がする。もしや渋い顔でもしているのかと目線だけでちらりと見やったがその横顔はいつも通りに涼しげだ。
 視線に気づいたのか勾陣がこちらを見てきたので慌てて外した。自分はいま怒っているのである。
「……残念なことに、私は男の趣味が最悪でね」
 ソファから立ち上がり、勾陣は静かな声でそんなことを言いながら紅蓮の手からひょいとカップを奪った。何を、と思わず顔を上げると、彼女は少し困ったように綺麗な微笑を湛えていて開きかけた口が思わず凍る。
「へたれでも甲斐性なしでも面倒でも何でも、お前以外はいらないんだからまったく我ながら救われないな」
 続いた声に全身と思考まで凍った。
 そのまま台所へと消えた勾陣だったが、やがて湯気を立てるカップを両手に戻ってくる。紅蓮の分を彼の前のテーブルに置き、彼女自身は先ほどまでと同じように紅蓮の左隣20cmに収まった。
 ゆらゆらする湯気をしばし見つめていた紅蓮はおもむろに口を開いた。
「……おい、勾」
 声は自分で意識したより低い。
「なんだったんだ、あの台詞は」
「ん? 誰かさんがへそを曲げたままだったから。一種のサービスだな」
「サービスって、お前」
「嘘で口説き文句なんか口にしないから安心しろ」
 サービスだろうと口説き文句だろうと内容はともかく言い回しがどこかおかしかった気がする紅蓮だが、それを突っ込もうと隣の彼女へ首を巡らせたところで、勾陣がくつりとのどの奥で笑った音に毒気を抜かれてしまった。
 あとは不機嫌を維持するのも面倒になる。かすかな釈然としなさが名残惜しそうに紅蓮の中に留まっているくらいだ。
 大きく息を吐いてカップに口をつける。砂糖が入っていてほどよく甘い。
「騰蛇、サービスついでだ」
「ん?」
 テーブルの上にまだ湯気を立てているカップを置き、脚は組んでいたのを解いて勾陣は半身を紅蓮に向ける。ソファがほんの少しだけ揺れた。
 そして彼女は恥じらう様子も照れる様子も躊躇う様子も一切なく真顔で告げる。
「千年一緒にいるんだ。そういうところまで含めて好きなんだと、それくらい分かれ」
 いくら私たちでも千年はそれなりに長いぞと彼女は微笑み、硬直した紅蓮をまじまじと見てまた笑う。
 あぁもう敵わない。紅蓮はつられてぎこちなく目尻と頬を緩めた。

拍手[9回]

どっちの日に合わせて書いたのか分からない紅勾。現代。
単に紅蓮がへたれな話。

拍手[15回]

「trick and treat」
 ダイニングに来たなり開口一番そう言った勾陣に、そら来た、と紅蓮はさして驚きもせずその台詞を受け入れたが、新聞を閉じクッキーの袋を渡そうとしてはたと気づく。
「……アンド?」
 定型文はtrick "or" treat.のはずだ。勾陣は「気づいたか」と悪びれる様子も冗談ごかす様子もなくさらりと言って紅蓮からクッキーを取り上げ、挙げ句それを見てつまらなそうに口を尖らせる。
「市販品か、というかそこから取るのか」
 勾陣の目の前で紅蓮は籠に手を伸ばしたのだ。ダイニングテーブルの端には開封した菓子類を突っ込んでおく籠が常備されている。菓子は特別好んでいるわけじゃないがあればつまむくらいのスタンスが神将含めて安倍家の人間の基本なのでいつからか自然にこうなっていた。いま勾陣に渡した物もいつ誰が買って誰が開封したのか紅蓮は知らない。あまり甘くなかったはずなので彼女の口に合わないことはないと思うが。
「どこまで俺に求めてるんだお前は、作れってか」
「お前は煮ると焼くしかできないがクッキーくらい焼くの範疇だろう」
「ちょっと世の菓子職人に謝れ、勾」
 なかなかすばらしい暴言が飛び出した気がしてならない。
 勾陣は紅蓮の隣の椅子に腰を下ろし、クッキーを開封しながら「紅茶が欲しい」と言った。「あーはいはい」と立ち上がり、ティーカップを取り出してから自分でやれと突き放してもよかったことに気づいて思わず紅蓮は勾陣を振り返る。なんだ、とクッキーをかじりながら涼しい顔の彼女に文句を言う気も失せて大人しくティーパックを取り出した。そのタイミングで「茶葉がいい」なんて注文が飛んでくる。ティーパックをすでに開封してしまっていたので今度は黙殺した。
「ここで言ったのが失敗だったかな、来年からは気をつけるか」
「それ反省点なのか。言っておくが今日は俺飴を持ち歩くつもりだったし今も持ってるからな。主にお前対策で」
 というかただの勾陣対策で。
 スーパーやら雑貨屋やら百円ショップやらでハロウィングッズを売っていたので紅蓮には今日が何の日かという認識がきちんとあり、面白いことと紅蓮をからかうことが好きな勾陣がこのイベントを放っておくことはないだろうとポケットに飴玉をひとつ突っ込んでおいたのだ。名付けて護身用飴。おかしな響きだ。今は近くにもっと手頃な物があったからそちらを渡しただけである。
 勾陣はおもしろくなさそうに眉をひそめた。
「なんだつまらん」
「俺だって学習くらいするわ」
 何度現代のイベントごとにかこつけてからかわれて醜態を晒したことか。
 湯気を立てるティーカップを勾陣の前に置く。ストレートのアールグレイだ。悪いな、と勾陣はカップに口を付けた。どう考えても悪いとは思っていない。
 涼しい横顔を三秒眺めて、紅蓮は口を開いた。
「勾」
「ん?」
「trick or treat.……その籠の中のはなしな」
 勾陣は紅蓮の方を向いて軽く目を丸くした。もしかしたら予想外の反撃だったのかもしれない。紅蓮は彼女の何か言いたげな視線を受け流す。付け足した条件はあるとは言え、定型文通りの「オア」なだけ勾陣の攻撃よりどう考えても良心的だ。と言うかあのアンドはまだ生きていたりしないだろうな、と紅蓮はちらり考える。
「……仕方ないな」
「何がだ」
 先に仕掛けてきたのは勾陣である。
 勾陣は躊躇うそぶりもなく小袋に残っていたもう一枚のクッキーを取り出してその端を歯に挟み、そのまま紅蓮の肩に手をかけて身を乗り出すと彼の口元にそれを突きつけた。そして紅蓮は固まった。何をしているんだこの女はと考えながらその段階で思考が終わってしまって結局ろくに頭は動かない。「ん」と急かしてくる勾陣の目に促されるまま口移しでそれを受け取る(もはや手で受け取れる距離ではなかった)。勾陣は後悔の様子も名残を惜しむ様子もなく紅蓮から離れると唇についたくずを拭っている。物言いたげな紅蓮の視線にも彼女は素知らぬ顔で再びカップに口付けていて、これはたぶん先ほどの仕返しだろう。
 クッキーを一口かじりながら紅蓮は「おい、勾」と口を開く。
「まずこれさっき俺がやったやつだろ」
「だからサービスしてやっただろう。不満か?」
 サービスと言われれば確かに度を超していたずらの域に差し掛かったサービスだったが。と言うかこれもしかしてさっきのアンドの正体かと紅蓮には思われて仕方がない。ぐるぐると思考は回ったが、紅蓮は結局「いや別に」とそれ以上の文句と追求を放棄した。

拍手[6回]

スーパームーンらしいので。月なら紅勾だろという単純思考により。

拍手[4回]

この恋はいつ熟してくれる?





最近ゲームがやっとひと段落つきました。
FE覚醒面白いよ!「このキャラとこのキャラをくっつけれたらなぁキャラ同士の仲人してたい」とか思ってる貴方にとてもおすすめ!(何の販促だ)
問題点は組み合わせが多彩過ぎてときめいた二人がマイナーなことが多々あることです


そしてこれは相変わらず両思いだけどくっつき方が分かってない紅勾

拍手[7回]

どうかきれいなままでいて。





紅蓮がくすぐったそうに「…泣かないでくれ。どうすればいいかわからなくなる」と言うラブラブの話をRTされたらかいてください。
↑ツイッターで診断メーカーで遊んでたらこんなのが出たので従って。
前似たような話書いた気が書き始める前からしてたけど気にしない。
そんなにラブラブもしてない。

拍手[10回]

何が嘘だったんだっけ。




昨日の話の続きと言うか対と言うか。
うそつきの日も終わって、ほんとうの話。

拍手[7回]

応えたかった。



うそつきのお話。
いつか書こうと思ってたんですがこれもある意味「嘘」の話になるなと思ったので今日中に。
エイプリルフールのルールには違反していますけども。



無理矢理のぬるい性描写を含みます。紅蓮がわりかし最低です。注意。

拍手[7回]

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碧波 琉(あおば りゅう)
少年陰陽師・紅勾を中心に絶えず何かしら萌えor燃えている学生。
楽観主義者。突っ込み役。言葉選ばなさに定評がある。
ひとつに熱中すると他の事が目に入らない手につかない。

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・紅勾、青后、勾+后(@少年陰陽師)

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