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Be praying. Be praying. Be praying.
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私いったい何書いてんだろうと書いてる途中でふと思った。


紅勾。足舐め。SM的要素はたぶんありません。足舐め自体SMじゃねーのと言われたら知らん。

 ほら舐めろ、と彼女は時折組んだ脚を見せつけてくるが、それは別に紅蓮に本気で舐めさせたいわけではない。最初のころは紅蓮が「はぁ!?」と目を剥くのを楽しんでいただけで、慣れた今はそれでも紅蓮が物言いたげな視線を向けてくるのを楽しんでいるだけだ。つまりは一貫してからかい目的。勾陣は紅蓮で遊ぶために基本的に手段を選ばない。
 たいがい紅蓮はもうそんなことを言われても「お前なぁ…」とじっとりした半眼を向けるのが常だ。遊ばれている自覚はあって、ならばスルーするのが得策であるしそれを選んできた。
 だが今日に限ってだったらやってやるよと開き直った気分になったのは何だったのか紅蓮は自分でもよく分からない。
 意外だったのは勾陣の側も同じであるらしい。ソファに腰かける彼女の足元に跪いた紅蓮を見て「騰蛇?」と首を傾げる。こういう時だけ彼女の動作はいやに無邪気だ。
「やれと言ったのはお前だろう」
 白い右足を手に取ると、勾陣は小さく笑声を零した。紅蓮の行動は予想外ではあったが結局面白いものであったらしい。見上げると微笑にはそればかりでなく期待が滲んで、黒い瞳の奥など待ちきれなそうに紅蓮を見ている。知っていることではあるが流石の女王様だ。
「上手くやれよ」
 そんなことを言ってくるあたり可愛げがない。そんなつもりはなかったと拒否する程度くらいの可愛さがあればなあなんて今更詮無いことを心のどこかで思いながら目を閉じて顔を寄せる。
 なんとなく今まで情事中でも愛撫したことはなかったが嫌悪感や躊躇の類は不思議なほどにない。ちろりと舌を這わせた甲は滑らかで、そのまま細い足首へ唇を辿らせる。骨の輪郭に合わせて舌先で舐め上げ、再び指の付け根付近の甲へ、今度は薄く浮き出た血管をなぞり上げる。
 もしも今誰かに見られたら色々と言い訳が聞かない状況だよなぁと苦笑して、指先を口に含む。唾液をたっぷりと含ませながら、指の間を丹念に舐めて、同時に特に親指を意識して吸った。
「…………ぁっ!?」
 唐突に頭上で嬌声が響いた。思わず口を離して彼女を見上げる。勾陣自身も驚いて――いや、慄いて、か――いる様子で、瞬きを繰り返しながら口を両手で覆っていた。
「…勾?」
「な…んでもない」
 もしかして、と名を呼んだ紅蓮に彼女はどこか呆然とそれだけ返し、「もういい」と足を引っ込めようとした。この時点で薄々予想していたことが確定する。紅蓮の頬が思わず緩んだ。
 ――ここは彼女の性感帯だ。
 しかも様子を見るに相当敏感な箇所である。本人もそうだとは露とも思っていなかったのだろう、だから焦って辞めさせようとしたのか。
 ……まあ、このチャンスを逃すわけには、いかないよなぁ。
 紅蓮はそう結論付けると、逃げかけた足を手に取って引き寄せ、再び指先を口に含む。視線を彼女の顔に向けたまま、先ほどのように舌を這わせ、あるいは吸い付き、または音を立てて、時に軽く頭を前後させながら唇で食む。
「…っ、騰蛇……ふっ…ん、……待、…っぁ……」
 肉の薄い肩が不規則にびくりと跳ね上がる。口を覆ったてのひらから零れる吐息は少しずつ荒くなりながらひどく甘い。頬が赤いのは羞恥心ではないだろう。紅蓮は今までここを責めてこなかったことを後悔した。
 透明だった双眸が熱を持て余してぼやけ始める。それでも目を閉じることも逸らすこともなく勾陣は奉仕する紅蓮を見つめ続けている。おそらくは紅蓮が跪いて自分の足を舐めているという事実と絵面に彼女のサディズムが悦んでいるのだろう。そして紅蓮もまた、一見彼女の命令に諾々と従っている体でしかし主導権はこちらにあり彼女を翻弄している事実と絵面に嗜虐心が倒錯的な満足を得ていた。
 あぁうん、これは、結構、かなり、いい。
 調子に乗って舌を動かしているうちに、指は二本同時に口に含むのが最も効果的だと紅蓮は学習した。とりわけ敏感なのが指の間、ねっとりと舐め上げてもちろちろと擽っても彼女の肩が大げさに撥ねる。
 ふと、足の裏はどうかなと思い至り、指先から口を離す。その一瞬の隙をついて彼女の足が紅蓮の手から離れてそのまま彼を蹴り上げようとした。持ち前の反射神経を全力で駆使してそれを交わした紅蓮の耳に怒声が突き刺さる。
「いい加減にしろ、このたわけっ!」
 涙目で上から見下ろされて紅蓮は浮かべるべき表情に迷った。上手くやれと言ったのはお前だと言いたい気持ちもあったし、調子に乗った自覚もあったし、頬を赤らめて涙目でというその表情がどうしようもなく可愛いなんて空気も読まずにときめく心もあった。
 紅蓮の阿呆な内心など知らないだろうが(彼女なら読み取ってきそうな気もするが)、勾陣はそのまま無言で立ち上がる。どこへと聞くと不機嫌な声が短く風呂場と言った。洗う気満々だ。せっかく奉仕したのにひどい仕打ちである。
 だが残された紅蓮はさしたる苛立ちも落胆もなく唾液に汚れた床をティッシュで吹きとる。どちらかというといい見つけ物をしたという気持ちが強かった。初めて触れてあれだけ反応するのだから、少し慣れればかなり強烈な刺激のスイッチになることは容易に想像がつく。今度は怒られないように逃げられないようにやろうと紅蓮は片頬を吊り上げた。
 しかし本当に今まで知らなかったことが悔やまれる。勾陣のからかいに最初から素直に従っておけばよかった。熱を持て余しながらこちらを凝視してくる彼女というのはなかなかに新しく(勾陣は基本的に強い性感には目を閉じてしまう)、そして思った以上にいいものだった。

 『今度』は存外早速やってきた。
 怒られてから二、三十分経ったぐらいだろうか。先ほどまで勾陣が座っていた場所に落ち着いて雑誌を繰っていた紅蓮のもとに無言のまま訪れた勾陣は、「どうした?」という彼の問いかけも無視して力任せに腕を引っ張り、紅蓮を自分の部屋まで引っ張り込むと、ご丁寧に鍵までかけて、ベッドの淵に腰かけ片足を彼に突きつける。ここまで彼女は一言も発しなかった。睨むように紅蓮を見やる双眸は消すことのできなかった情欲の炎を揺らめかせて輝いている。余談だがまだ日の高いうちから彼女が求めてくることなどほんとうに滅多にない。
 紅蓮はひとつ笑って膝をつき、その足を恭しく手に取った。

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碧波 琉(あおば りゅう)
少年陰陽師・紅勾を中心に絶えず何かしら萌えor燃えている学生。
楽観主義者。突っ込み役。言葉選ばなさに定評がある。
ひとつに熱中すると他の事が目に入らない手につかない。

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・紅勾、青后、勾+后(@少年陰陽師)

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