Be praying. Be praying. Be praying.
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……ちょっとくらい、いいじゃんよ。
原作時間軸で紅蓮+天后が成り立つのはこのシチュエーションしかない。少なくとも今の私の頭では。
あとは勾陣が無茶した時に二人の見解が一致するとか。
文体とかあんま気にしてないんですが、去年書いたのを読んでみて、あぁ去年思いっきり有川作品に影響受けてたなーとか思った。軽いノリの話はああいう文体のが合う、のかな?
時々くどくなるけど、今の文章はそこそこ気にいってる。
絵柄使い分けれる人みたいに文体使い分けれる人になれたらカッコよくね? と思うけど無理だなー。
原作時間軸で紅蓮+天后が成り立つのはこのシチュエーションしかない。少なくとも今の私の頭では。
あとは勾陣が無茶した時に二人の見解が一致するとか。
文体とかあんま気にしてないんですが、去年書いたのを読んでみて、あぁ去年思いっきり有川作品に影響受けてたなーとか思った。軽いノリの話はああいう文体のが合う、のかな?
時々くどくなるけど、今の文章はそこそこ気にいってる。
絵柄使い分けれる人みたいに文体使い分けれる人になれたらカッコよくね? と思うけど無理だなー。
「騰蛇」
その声が己を呼ぶなどと思ってもいなかったので、物の怪の反応は僅かばかり遅れた。信じられない思いで後方へ首を巡らす。たたずんでいた天后は険しい面差しをしていたが、感情を表に出さぬよう努めているように見受けられた。
「…何だ?」
彼女が己を呼びとめる事態そのものが珍しく、故に見出せない理由を問いかける。
天后が軽く息を吸った。そして頭が下げられる。驚愕に息を呑む物の怪をよそに、はらりと重力に任せ零れた銀髪で顔を隠した彼女の声が響く。
「勾陣のこと。……ありがとう」
面を上げ、彼女は小さく笑った。
「貴方がいてくれてよかった」
どう返すべきかを迷い、あーだのおーだの喉を鳴らすばかりの物の怪に「それだけ。呼びとめてごめんなさい」とだけ残して天后が隠行する。置いて行かれた物の怪は、猫のように後ろ足で頭を掻いた。
天后が己を嫌っていることを、物の怪は――騰蛇は、誕生の折より知っている。五十余年前にそれがより強くなったことも、知っていた。だから天后が己を呼び掛けることなどあるわけがないと思っていたし、今この瞬間まで物の怪の認識は正しかったはずだった。
天后の中にいる勾陣の大きさを垣間見た気がして、物の怪は薄く笑った。自他共に親友を称し称される彼女らの仲は、時に見ているこちらが羨ましくなるほどだ。
そうだ、と物の怪は今更ながら天后を呼んだ。数拍の後、訝しげで表情硬くも天后が物の怪の前に顕現する。
「勾を見舞いに行っていいか」
「……私が決めることじゃ、ないと思うけど。今はまだ眠っている時間の方が長いから、それでもいいのなら。太裳が結界を張ってくれている中にいるわ」
答えた後、用は済んだとばかりすぐさま姿が消える。
嫌われている自覚はある。呼び掛けに応えてくれただけでも僥倖だ。潔癖なあの同胞は、時に勾陣が手を焼くほどに頑なで、だから物の怪は今更彼女に許されたいなどは思っていない。むしろ、ともすれば激動の日々と降り積もる時の中で薄れゆきかける罪の意識を呼び覚ましてくれる点で、物の怪は彼女の存在をありがたくも思っている。
しかし、物の怪が、騰蛇が天后を嫌いだと思ったことは今に至るまでただの一度もない。
だから生まれて初めて彼女より向けられた感謝と笑みは、ただただ純粋に嬉しかった。
その声が己を呼ぶなどと思ってもいなかったので、物の怪の反応は僅かばかり遅れた。信じられない思いで後方へ首を巡らす。たたずんでいた天后は険しい面差しをしていたが、感情を表に出さぬよう努めているように見受けられた。
「…何だ?」
彼女が己を呼びとめる事態そのものが珍しく、故に見出せない理由を問いかける。
天后が軽く息を吸った。そして頭が下げられる。驚愕に息を呑む物の怪をよそに、はらりと重力に任せ零れた銀髪で顔を隠した彼女の声が響く。
「勾陣のこと。……ありがとう」
面を上げ、彼女は小さく笑った。
「貴方がいてくれてよかった」
どう返すべきかを迷い、あーだのおーだの喉を鳴らすばかりの物の怪に「それだけ。呼びとめてごめんなさい」とだけ残して天后が隠行する。置いて行かれた物の怪は、猫のように後ろ足で頭を掻いた。
天后が己を嫌っていることを、物の怪は――騰蛇は、誕生の折より知っている。五十余年前にそれがより強くなったことも、知っていた。だから天后が己を呼び掛けることなどあるわけがないと思っていたし、今この瞬間まで物の怪の認識は正しかったはずだった。
天后の中にいる勾陣の大きさを垣間見た気がして、物の怪は薄く笑った。自他共に親友を称し称される彼女らの仲は、時に見ているこちらが羨ましくなるほどだ。
そうだ、と物の怪は今更ながら天后を呼んだ。数拍の後、訝しげで表情硬くも天后が物の怪の前に顕現する。
「勾を見舞いに行っていいか」
「……私が決めることじゃ、ないと思うけど。今はまだ眠っている時間の方が長いから、それでもいいのなら。太裳が結界を張ってくれている中にいるわ」
答えた後、用は済んだとばかりすぐさま姿が消える。
嫌われている自覚はある。呼び掛けに応えてくれただけでも僥倖だ。潔癖なあの同胞は、時に勾陣が手を焼くほどに頑なで、だから物の怪は今更彼女に許されたいなどは思っていない。むしろ、ともすれば激動の日々と降り積もる時の中で薄れゆきかける罪の意識を呼び覚ましてくれる点で、物の怪は彼女の存在をありがたくも思っている。
しかし、物の怪が、騰蛇が天后を嫌いだと思ったことは今に至るまでただの一度もない。
だから生まれて初めて彼女より向けられた感謝と笑みは、ただただ純粋に嬉しかった。
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