Be praying. Be praying. Be praying.
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青信号が点滅を始めているのが遠目からもはっきりと分かり、間に合えと祈りながら走った。しかしたった数秒の猶予で、しかもスカートで二十メートルちょっと、車道の幅を考えると三十メートルを走れるわけがない。天后がようよう横断歩道のところに到達した時には車が右から左へと流れていた。
ああついていない、ここの信号はそれなりに長いのに。誰に向けてでもなく愚痴り、天后は口を尖らせて肩をすくめた。
信号が変わるのを今か今かと待っているうちにちらほらと人の気配が増えだした。これだけ需要がある道なんだからもう少しこっち側にも配慮してくれればいいのにと埒もないことを考える。
ふと、何とはなしに隣にある気配の主に視線をやって―――驚いたどころではない、声をあげなかった自分を誉めてやりたいくらいだ。
―――あの人だ。
時々大学で見かける男性が天后の隣で同じように信号待ちしていた。
名を知っているわけでも、もちろん何か関わりがあるわけでもない他人だ。が、好感度というのはよく見かける人に対するほど大きくなるもので、だからその人のことは気づいたら目で追うようになっていた。
何が気に入らないのかいつも例外なく不機嫌そうで、眉間には常に程度の差こそあれ皺が刻まれている。整った顔立ちのせいでそれが妙な効力を持っているらしく俺に触るなオーラが全開だ。もう少し柔和であったなら女たちが群がるんだろうな、と、何の関わりもない天后でさえ思ってしまう程度には愛想がない。
何でこんな人を目で追うようになったのか自分でも疑問だ。
―――と、その人の見ている方向が変わる。僅かなモーションから向くのはこっちだと悟り慌て顔を背けた。たから結局彼がどこを向いたのかは分からない、それを確認する勇気はなかった。
心臓の音が大きいように感じるという事実が図らずもひとつの仮説の裏付けとなった。……そんなことあり得るのか、名前も知らない人相手に? 自問してみたが乏しい経験が示す答えはどうやらひとつ限りのようだ。
それ以前に、彼が隣にいる事実に億劫なはずだった待ち時間が少しでも長引くように思っている自分に気がついて、既に結構重症なようだと天后は息を吐いた。
眠れないので最早オリジナルで問題ないくらい突発青后。
ああついていない、ここの信号はそれなりに長いのに。誰に向けてでもなく愚痴り、天后は口を尖らせて肩をすくめた。
信号が変わるのを今か今かと待っているうちにちらほらと人の気配が増えだした。これだけ需要がある道なんだからもう少しこっち側にも配慮してくれればいいのにと埒もないことを考える。
ふと、何とはなしに隣にある気配の主に視線をやって―――驚いたどころではない、声をあげなかった自分を誉めてやりたいくらいだ。
―――あの人だ。
時々大学で見かける男性が天后の隣で同じように信号待ちしていた。
名を知っているわけでも、もちろん何か関わりがあるわけでもない他人だ。が、好感度というのはよく見かける人に対するほど大きくなるもので、だからその人のことは気づいたら目で追うようになっていた。
何が気に入らないのかいつも例外なく不機嫌そうで、眉間には常に程度の差こそあれ皺が刻まれている。整った顔立ちのせいでそれが妙な効力を持っているらしく俺に触るなオーラが全開だ。もう少し柔和であったなら女たちが群がるんだろうな、と、何の関わりもない天后でさえ思ってしまう程度には愛想がない。
何でこんな人を目で追うようになったのか自分でも疑問だ。
―――と、その人の見ている方向が変わる。僅かなモーションから向くのはこっちだと悟り慌て顔を背けた。たから結局彼がどこを向いたのかは分からない、それを確認する勇気はなかった。
心臓の音が大きいように感じるという事実が図らずもひとつの仮説の裏付けとなった。……そんなことあり得るのか、名前も知らない人相手に? 自問してみたが乏しい経験が示す答えはどうやらひとつ限りのようだ。
それ以前に、彼が隣にいる事実に億劫なはずだった待ち時間が少しでも長引くように思っている自分に気がついて、既に結構重症なようだと天后は息を吐いた。
眠れないので最早オリジナルで問題ないくらい突発青后。
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