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Be praying. Be praying. Be praying.
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連句を詠わされました。楽しかった!
しかし恋愛の句を入れこまなきゃいけないターンで一気に活動的になったので同級生のみならず後輩からも「せんぱぁい(笑)」って突っ込まれました。うっせー

しかし恋愛系の詩やお題を考える時常に脳裏には紅蓮や勾陣や天后や青龍がいる件について
これだって発想的には恋しちゃってる紅蓮目線の姐さんだった。




今久々に自分で書いててわくわくする話が書けてます。楽しい。
けど紅蓮が救われないほど鈍感なうえ姐さんが物凄いいじらしくて健気な感じになっちゃってる。お前はどんな世界の紅蓮と勾陣を書いているんだ。
考察すればするほど自己解釈が入っちゃって久々に原作見返してみると原作とのキャラクター性の乖離にびっくりするんだぜ! でも今更自己解釈をすべて捨てることはできないという悪循環。





チャットで書いた小話そのに。紅勾、というか。姐さんが紅蓮に我が儘を言う理由と紅蓮がそれを厭わずに叶えてやる理由。

ところで妹が「ペリーって殴りたい顔しとるよな」って言ってきたんだけど姉ちゃんどんな返事したらいいんだろうか。

「あれ紅蓮、どっか行くの?」
 ジャケットに身を包み出かける用意を済ませた紅蓮を見つけた昌浩の問いかけに、紅蓮は「ああ」と頷いた。
「勾から迎えに来いと言われたからな。ちょっと出てくる」
「ふーん」気のない相槌。
「と言うわけで、行ってくるぞ」
「いってらっしゃい」
 愛車の置いてある車庫へと向かう紅蓮の背中には、その言葉に続く、別段紅蓮に向けるでもない、独語に近い昌浩の声がしっかりと届いていて、彼は思わず苦笑を零した。
 昌浩にとってはおそらく当然の感想で、しかしそれに対する確固たる答えはとうの昔、それこそ何百年も遡る頃に提示されていたものだったから。

「……紅蓮って、勾陣の我が儘は全部叶えるよねぇ」




 バイクで風を感じながら、先ほど聞こえた昌浩の言葉に刺激され、彼の脳は遠くささやかな記憶を探り出していた。
 始めに覚えたものは違和感であったと記憶している。確か、そう、天狐の一件が片付き、出雲での事件が起こるまでの、つかの間の平和を享受していた時期だ。死の領域に片足どころかほぼ全身を突っ込むまでの大怪我を負ったくせに、傷が塞がり意識が戻った途端、体に障ることは分かっていただろうに人界に降りてきた。降りてきた、その時点では取り敢えず同意は示せようか。主の無事をその目で確認したかった事は当時想像に難くなかったし、自分が同じ状況に陥ったら彼女と同様の行動をしなかった自信はない。しかし、しかしだ。聡い勾陣のことである、人界が傷に障り、傷の治癒を遅らせることは理解していたであろうに、けれど同胞たちの忠告をことごとく無視して人界に留まり続けていた。――始めに違和感を覚えたのは、その時だった。
 その時までの、勾陣と言う女に対しての紅蓮の認識に従うなら、彼女は完治するまで異界で養生し続けるはずであった。己を、周囲を、客観的に見、その場・状況に最もふさわしい結論を下す。それが勾陣と言う女であったはずなのに、彼女はしかし、一見筋が通っていそうで、その実どこまでも理不尽で彼女を中心とする理屈で持って同胞の心配を撥ね退け続けた。
 それは勾陣の認識を書きかえるきっかけに過ぎなかった。書きかえるべき要素は、それから次々と紅蓮の前に提示され続けた。たとえば、腕を上げることすら出来なくなりながら、それを短期間で治癒することのできる瑞碧の海へ沈むことを拒み続けた。その間、状況の変移から取り残される、という理屈で。その上全てが終わった後無理矢理こちらを沈めてきたこともあったか。たとえば、青龍や天空でさえ慄くほどの怒りを、神気の殆どを奪われた体で煮えたぎらせ続けていた。おそらく、それには文面化出来る理由はなかったのだろう。怒りを覚えたから、己の感情に正直に、彼女は怒りを発したのだ。
 ささやかな事象に関してなら、その数は枚挙に暇がない。特にそれは、紅蓮に対して強く発揮されたように思う。――と言うよりは、基本的に紅蓮に対してしか発揮されなかった。我が儘なところも、理不尽なところも、俺様なところも、全ては紅蓮にだけ向けられていたことに気がついたのはいつだっただろう。そして――私の言うことが聞けないのか、と高圧的に挑戦的に紅蓮を見てくる真っ直ぐな黒曜石の双眸、その奥が、時折、ほんのわずか、窺うような色で揺れていることに気がついたのも、紅蓮が了承を示した時に安堵のような色が灯ることに気がついたのも。

 一度見つけてしまえば、その理由を知ることも簡単だった。それに気付いた時には、紅蓮は勾陣のすべてを理解したいと思うようになっていたし、理解しようと努めてもいた。導きだした答えはあまりに、あまりに紅蓮に都合のよい代物で、果たして正解なのか長く考えもしたが、彼女の頬や髪に、大切に触れた時に勾陣の零す、幸福感を素直に伝えてくる笑みを知り、また、人間の学問が進むにつれ心理状態――それはあくまで人間のものであったが、人から生まれた以上、生じる想いの差異こそあれ、きっと根底に流れるものは同じであるはずだ――が文章化されるようになって、幾分か客観的な正誤の基準を得、それは確実に「正」となった。
 おそらく、試しているのだろう。我が儘をぶつけることで、理不尽をぶつけることで。どれだけ紅蓮が彼女を受け入れてくれるのか。それは駆け引きと呼ぶにはあまりに拙く、幼いものだ。失敗は即座に関係の瓦解を意味し、成功したところで現状維持が精一杯の、ハイリスク・ローリターンな行為。けれども、そうやってでしか測れないのだ、彼女は。私のことが好き? だなんて、世の女性なら一度は尋ねるだろう質問を投げかけることすら出来ないあの女は。
 我が儘をぶつけて、文句を言いながらでも紅蓮がそれを受け入れてくれることを確かめて安堵する。そんな後ろ向きな確認しか出来ない勾陣を、いつでも強気な彼女のそんな弱い部分を、紅蓮はとにかく、ひたすらに愛おしいと思う。どこまでも彼に都合のよい解釈は、けれど間違ってはいまい。証拠に、勾陣の我が儘は、いつだって分をわきまえている。踏み込んでも構わない部分にしか踏み込まない。踏み込んではならない部分に踏み込んで紅蓮から拒絶されることを恐れるかのように。
 だから紅蓮は叶えてやりたいと思うし、すべて叶えてやろうと思う。そうする以外に彼女が確かめる術を持たないのなら。叶えてやることで彼女が安堵するのなら、いくらでも。
 そうやって確かめられるほどに重要な何かで在れていることは、紅蓮にとって確かに至福の一部分であるのだから。



 呼び出された本屋に入ってすぐ、雑誌を立ち読みしていた勾陣を見つけた。呼び掛ける。振り返った勾陣の開口一番の台詞は「遅いぞ」だった。
「連絡きてすぐに用意したんだ、これでも」少し及び腰で言い訳して、はたと気づく。「と言うか、どうして俺が言い訳してるんだ。有り難く思うべきはお前だろう」
 何でこいつの理不尽な言い分はこう正論っぽく聞こえるんだ、と紅蓮は胸中で呟いた。おそらくこれは紅蓮には生涯真似出来ない話術だ。
「…まぁいい、ほら、帰るぞ」
「ああ」
 ふっと勾陣の表情が緩んだ。それを認めた紅蓮の頬もつられて緩む。彼は勾陣の、この表情をよく知っている。この時彼女の瞳に揺らめくものを知っている。ほら、器用そうに見えて、実際器用で、それでも「このような関係・駆け引き」に関してはどこまでも不器用な彼女は、こうやって彼を確かめるのだ。そしてそれは、紅蓮ならば受け入れてくれるだろう、という自信から来る無意識下の甘えの証明でもあるはずだった。
 店を出て、ヘルメットを投げ渡す。
 後部座席に乗った勾陣が自分の体にしっかりと腕を回してきたのを確認してから、紅蓮はエンジンを吹かした。

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はじめまして
サイトを開設したのですが、碧波さんの俳句(ですか?)をもとに小説を、書きたいのですが…。
よろしいでしょうか?
樹 夕伽 URL 2010/06/13(Sun)17:57:26 編集
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碧波 琉(あおば りゅう)
少年陰陽師・紅勾を中心に絶えず何かしら萌えor燃えている学生。
楽観主義者。突っ込み役。言葉選ばなさに定評がある。
ひとつに熱中すると他の事が目に入らない手につかない。

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・紅勾、青后、勾+后(@少年陰陽師)

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