Be praying. Be praying. Be praying.
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よくよく考えたら原作って紅←勾はところどころに読み取れるけど紅→勾はあまりないよね……やっぱり平安時間軸で紅蓮に恋愛感情はない。かなぁ。せめて「よく分からないけど他の同胞とは一線を画して大事なもの」的な認識でいてくれたらそれで充分だけどさ。
取り敢えず、焰~を読んでちょっと思ったことを、考えまとめがてらに。
――――――――――――
「高龗神よ、騰蛇抹殺を是とするか」
(略)
「別にそうとは言っていない。……選ぶとしたら、それが一番『公正』な選択だと、考えるだけのこと」
「利己的な選択はするべきではないと?」
「神将ひとりのために、人間すべてが死に絶えてもかまわないと断じるだけの強さがあるならば、それもまた一興」
勾陣の顔から表情がすっと消えた。
(略)
「私は利己主義なのでね。誰かの思惑に乗って騰蛇を犠牲にすることが、がまんならない。だから騰蛇を取り戻したいと考える。ほかには何もない。ただ、それだけのことだよ」
世界の明暗など関係がない。これは自分自身の感情の問題だ。
(略)
「……さて。あれは昔から、我々の考えの及ばないところで判断を下す」
そして十二神将たちは、晴明の判断に従う。
それが間違っているかなど、考えたことはない。
「主と定めたときから、晴明の言葉が我々の真実だ」
たとえ、ほかにどんな事実があったとしても。
――――――――――――
以上『焰の刃を研ぎ澄ませ』P26~27引用。
勾陣は『公正』な立場から、『公正』な判断を下すことを自らに課してるようなキャラだから、このとき、勾陣のそんなキャラクター性から考えたら、彼女が取るべきは「一番『公正』な選択」=「騰蛇抹殺」であるべきだった。
でも、まぁ主人公で紅蓮の相棒である昌浩を除いて、一番紅蓮を取り戻したがってたことが窺えるのは勾陣で。
『利己的な選択』とは『紅蓮を取り戻す』こと。彼女が自分のことを「私は利己的なのでね」と言っていることから、彼女の真意が『利己的な選択』にあったことは自明。「世界の明暗など関係ない。これは自分自身の感情の問題だ」とあることから、もうこの時点で何らかの特別な感情(希望的観測込みでも高確率で愛情)を勾陣が紅蓮に抱いてることも明白で、黄泉~では「奪われたなら、奪い返すまでのこと」とはっきり断言しちゃってるのに、「神将ひとりのために、人間すべてが死に絶えてもかまわないと断じるだけの強さがあるならば、それもまた一興」と高淤の神に言われて「表情がすっと消える」。そして、晴明に「止めるなよ」と言いながら、「取り戻したいと考える」と断言しながら、「晴明の言葉に従う」と言う。なんか、ここに恐ろしいほどの自己矛盾が見えた気がした。
式神として晴明の旗下にある「十二神将勾陣」としての彼女(=勾陣)と、何のしがらみもなく「紅蓮を取り戻したいと考える」彼女(=慧斗)とのせめぎ合い。『慧斗』としての感情を優先させながら『勾陣』で在ろうとする。
「主と定めたときから、晴明の言葉が我々の真実だ」って台詞が、それまでの勾陣の台詞と何か整わなくて、何でかなぁって思ったら、この台詞はそれまでの『慧斗』として言葉を発してた自分、つまり『慧斗』としての感情を抑え込むための『勾陣』としての台詞なんだと解釈したらすっきりした。『ほかにある真実』、これはこの場合『慧斗の感情やら願いやら』と解釈して、『勾陣として主の判断に従う(でも、慧斗としての思いはしっかりと存在してる)』って読めると思う。
『公正な選択』なんて出来ない。彼女が取るのは『利己的な選択』。しかも『利己的』とか言いながら自分にメリットがない。ぶっちゃけあの時紅蓮を殺さない選択肢を取れば少なくとも人間とか生き物とかは終わっちゃうわけで、絡め取られた紅蓮の魂、というか人格、もそのうち消えちゃう確率が高いわけで(というか、消えちゃうことはもう決定事項だったっけ?)、それでもなお『騰蛇抹殺』の選択肢を選べない『利己的』さ。
「世界の明暗など関係ない」と思えるのに、高淤の神の台詞で表情が消えてしまうってのは、『慧斗であり勾陣である一個体』としての彼女に「それだけの強さ」がないから(=『勾陣』で在ろうとする意志が『強さ(=慧斗としての強い感情)』を揺るがしている)。
……そしてここまで解釈して、『(勾陣としての)公正な選択』と『(慧斗としての)利己的な選択』の、ふたつを「こっち!」と決心して選ぶことのできない、誰にも見せない激しい葛藤が、それこそ昌浩が紅蓮(屍鬼)の身体を神殺しの刃で貫くまでずっと、とぐろを巻いて心の中にありつづけてたらいいなぁ(というか、萌えるなぁ)と思った。
正直姐さんの内部においての紅蓮への感情へのブレーキは、『勾陣』と『慧斗』の折り合いをどこでつけるか、って点にあると思うから(紅蓮の中では「決して最後に選んでやることなど出来ないのに求めてもいいのか」的なもので、という希望)、そこに答え出ちゃったらわりと強い気がするなぁ。胸張って愛情表現しそうだ。あくまで強気に。等身大で。
取り敢えず、焰~を読んでちょっと思ったことを、考えまとめがてらに。
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「高龗神よ、騰蛇抹殺を是とするか」
(略)
「別にそうとは言っていない。……選ぶとしたら、それが一番『公正』な選択だと、考えるだけのこと」
「利己的な選択はするべきではないと?」
「神将ひとりのために、人間すべてが死に絶えてもかまわないと断じるだけの強さがあるならば、それもまた一興」
勾陣の顔から表情がすっと消えた。
(略)
「私は利己主義なのでね。誰かの思惑に乗って騰蛇を犠牲にすることが、がまんならない。だから騰蛇を取り戻したいと考える。ほかには何もない。ただ、それだけのことだよ」
世界の明暗など関係がない。これは自分自身の感情の問題だ。
(略)
「……さて。あれは昔から、我々の考えの及ばないところで判断を下す」
そして十二神将たちは、晴明の判断に従う。
それが間違っているかなど、考えたことはない。
「主と定めたときから、晴明の言葉が我々の真実だ」
たとえ、ほかにどんな事実があったとしても。
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以上『焰の刃を研ぎ澄ませ』P26~27引用。
勾陣は『公正』な立場から、『公正』な判断を下すことを自らに課してるようなキャラだから、このとき、勾陣のそんなキャラクター性から考えたら、彼女が取るべきは「一番『公正』な選択」=「騰蛇抹殺」であるべきだった。
でも、まぁ主人公で紅蓮の相棒である昌浩を除いて、一番紅蓮を取り戻したがってたことが窺えるのは勾陣で。
『利己的な選択』とは『紅蓮を取り戻す』こと。彼女が自分のことを「私は利己的なのでね」と言っていることから、彼女の真意が『利己的な選択』にあったことは自明。「世界の明暗など関係ない。これは自分自身の感情の問題だ」とあることから、もうこの時点で何らかの特別な感情(希望的観測込みでも高確率で愛情)を勾陣が紅蓮に抱いてることも明白で、黄泉~では「奪われたなら、奪い返すまでのこと」とはっきり断言しちゃってるのに、「神将ひとりのために、人間すべてが死に絶えてもかまわないと断じるだけの強さがあるならば、それもまた一興」と高淤の神に言われて「表情がすっと消える」。そして、晴明に「止めるなよ」と言いながら、「取り戻したいと考える」と断言しながら、「晴明の言葉に従う」と言う。なんか、ここに恐ろしいほどの自己矛盾が見えた気がした。
式神として晴明の旗下にある「十二神将勾陣」としての彼女(=勾陣)と、何のしがらみもなく「紅蓮を取り戻したいと考える」彼女(=慧斗)とのせめぎ合い。『慧斗』としての感情を優先させながら『勾陣』で在ろうとする。
「主と定めたときから、晴明の言葉が我々の真実だ」って台詞が、それまでの勾陣の台詞と何か整わなくて、何でかなぁって思ったら、この台詞はそれまでの『慧斗』として言葉を発してた自分、つまり『慧斗』としての感情を抑え込むための『勾陣』としての台詞なんだと解釈したらすっきりした。『ほかにある真実』、これはこの場合『慧斗の感情やら願いやら』と解釈して、『勾陣として主の判断に従う(でも、慧斗としての思いはしっかりと存在してる)』って読めると思う。
『公正な選択』なんて出来ない。彼女が取るのは『利己的な選択』。しかも『利己的』とか言いながら自分にメリットがない。ぶっちゃけあの時紅蓮を殺さない選択肢を取れば少なくとも人間とか生き物とかは終わっちゃうわけで、絡め取られた紅蓮の魂、というか人格、もそのうち消えちゃう確率が高いわけで(というか、消えちゃうことはもう決定事項だったっけ?)、それでもなお『騰蛇抹殺』の選択肢を選べない『利己的』さ。
「世界の明暗など関係ない」と思えるのに、高淤の神の台詞で表情が消えてしまうってのは、『慧斗であり勾陣である一個体』としての彼女に「それだけの強さ」がないから(=『勾陣』で在ろうとする意志が『強さ(=慧斗としての強い感情)』を揺るがしている)。
……そしてここまで解釈して、『(勾陣としての)公正な選択』と『(慧斗としての)利己的な選択』の、ふたつを「こっち!」と決心して選ぶことのできない、誰にも見せない激しい葛藤が、それこそ昌浩が紅蓮(屍鬼)の身体を神殺しの刃で貫くまでずっと、とぐろを巻いて心の中にありつづけてたらいいなぁ(というか、萌えるなぁ)と思った。
正直姐さんの内部においての紅蓮への感情へのブレーキは、『勾陣』と『慧斗』の折り合いをどこでつけるか、って点にあると思うから(紅蓮の中では「決して最後に選んでやることなど出来ないのに求めてもいいのか」的なもので、という希望)、そこに答え出ちゃったらわりと強い気がするなぁ。胸張って愛情表現しそうだ。あくまで強気に。等身大で。
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