Be praying. Be praying. Be praying.
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少年陰陽師、昌彰……?
迷いの~の、P180らへん。
純粋に昌彰が好きな方からそのうちぶん殴られるような気がしてます(ぁ
……うん。私とて昌彰好きですよ。好きなんですが、シリアス大好きですからなんというか、完全に好きになれたのが、昌彰スキー様方が痛いとか辛いとかさんざんおっしゃってる玉依編以降なんですよね。うん、この時点で全力でごめんなさいですが。なんだろ、ほのぼのしてるだけのカプは眼中外というか、なかなか萌えの対象になりにくいので。
痛くて辛くて傷ついて傷跡が残って、その先に待ってる「好きだよ」が好きです。
だから玉依編大歓迎です。むしろもっと痛くてもいいのに、痛さがぬるいなーとかも思ってしまってたり。いやでも私を基準にしちゃダメ(許容ゾーン広い・地雷なし・シリアス好物・バッドエンド平気etc.)だからこれくらいにしとこう。うん。
5/100消化、と。
迷いの~の、P180らへん。
純粋に昌彰が好きな方からそのうちぶん殴られるような気がしてます(ぁ
……うん。私とて昌彰好きですよ。好きなんですが、シリアス大好きですからなんというか、完全に好きになれたのが、昌彰スキー様方が痛いとか辛いとかさんざんおっしゃってる玉依編以降なんですよね。うん、この時点で全力でごめんなさいですが。なんだろ、ほのぼのしてるだけのカプは眼中外というか、なかなか萌えの対象になりにくいので。
痛くて辛くて傷ついて傷跡が残って、その先に待ってる「好きだよ」が好きです。
だから玉依編大歓迎です。むしろもっと痛くてもいいのに、痛さがぬるいなーとかも思ってしまってたり。いやでも私を基準にしちゃダメ(許容ゾーン広い・地雷なし・シリアス好物・バッドエンド平気etc.)だからこれくらいにしとこう。うん。
5/100消化、と。
雨音の合間を縫って、昌浩、と、呆然とした声が彼の耳に届いた。聞き慣れていた声のような気もしたが、生憎と彼はその声を知らなかった。弱々しく泣き出しそうな声は、ともすれば雨音にかき消されていても不思議ではない。それなのに、そのか細さが逆に、彼の中にその声を強く刻みつけた。
彼は、その声の主の少女を見た。『誰だろう』程度の興味と、それから少しだけ、声の主を確かめなければならない気がしたからだ。声音に違わず、少女は泣きそうに顔を歪めていた。どうしてだろう、と彼は無邪気に思う。どうして俺を見てそんな泣きそうな顔をしているのだろう。
昌浩、と彼女は再び彼を呼んだ。どうして、と後に続ける。どうして、とは何がだろう。俺は彼女に何をしたのだったか。記憶の糸を辿ってみるものの、そもそもその少女自体が見当たらない。濃霧がかかっているように不鮮明な個所もあったが、その中を探す気は起きなかった。
考えても答えが出るはずもなかったので彼は考える事を止めた。そもそも彼はその少女のことを知らないのだから、答えなんて存在していない。
雨に濡れた少女の髪がつややかに光っている。頬を伝う雨雫が、その跡が、まるで涙の跡にも見えた。いや、もしかしたら、少女は本当に泣いているのかもしれない。彼に確かめる術はなかったが、彼はそれに軽い既視感を覚える。何度か、見たことがあるような気がした。
俺は、この子を知っている?
一瞬、そんなことを思う。しかし、本当に既知の間柄なら、こうやって対面して思い出せないはずがない。万が一知っているとしても、おそらく一、二度、どこかですれ違った程度だろう。ならば何故少女は彼の名前を知っているのか。何故泣きそうな声で彼を呼ぶのか。彼は自分が満足のいく説明を見つけらかったので、結局疑問を黙殺することにした。
どうせ忘れてしまっている子だ。どうでもよかった子だったのだろう。もし、万が一懇意にしている子だったとしても――――忘れてしまいたいほど、そしてこうやって直に会っても思い出したくないほどに辛い記憶の中心部にでもいる子なのだろうから、忘れたままの方が自分は楽だ。
あぁ、でも、それでも、何故だろう。
確か、大切だった気がする。少女は自分にとって大きな存在だったような気がする。まるで、彼の中から少女の存在とそれに関わる部分だけがそのまま削り取られてしまっているような錯覚がする。
痛くて辛くて忘れたくて、それでも掛け替えのなかったはずの、誰かだったような――
――まぁ、いいか。
知らない子が何を言っていようが、何に傷ついていようが、それは彼が関与する事柄ではない。
それきり彼は少女から興味を失って、益荒と阿曇を振り返った。少女がその時どんな表情をしたのか彼は知らない。知る必要なんてなかったし、知りたいとも思わなかった。
彼は、その声の主の少女を見た。『誰だろう』程度の興味と、それから少しだけ、声の主を確かめなければならない気がしたからだ。声音に違わず、少女は泣きそうに顔を歪めていた。どうしてだろう、と彼は無邪気に思う。どうして俺を見てそんな泣きそうな顔をしているのだろう。
昌浩、と彼女は再び彼を呼んだ。どうして、と後に続ける。どうして、とは何がだろう。俺は彼女に何をしたのだったか。記憶の糸を辿ってみるものの、そもそもその少女自体が見当たらない。濃霧がかかっているように不鮮明な個所もあったが、その中を探す気は起きなかった。
考えても答えが出るはずもなかったので彼は考える事を止めた。そもそも彼はその少女のことを知らないのだから、答えなんて存在していない。
雨に濡れた少女の髪がつややかに光っている。頬を伝う雨雫が、その跡が、まるで涙の跡にも見えた。いや、もしかしたら、少女は本当に泣いているのかもしれない。彼に確かめる術はなかったが、彼はそれに軽い既視感を覚える。何度か、見たことがあるような気がした。
俺は、この子を知っている?
一瞬、そんなことを思う。しかし、本当に既知の間柄なら、こうやって対面して思い出せないはずがない。万が一知っているとしても、おそらく一、二度、どこかですれ違った程度だろう。ならば何故少女は彼の名前を知っているのか。何故泣きそうな声で彼を呼ぶのか。彼は自分が満足のいく説明を見つけらかったので、結局疑問を黙殺することにした。
どうせ忘れてしまっている子だ。どうでもよかった子だったのだろう。もし、万が一懇意にしている子だったとしても――――忘れてしまいたいほど、そしてこうやって直に会っても思い出したくないほどに辛い記憶の中心部にでもいる子なのだろうから、忘れたままの方が自分は楽だ。
あぁ、でも、それでも、何故だろう。
確か、大切だった気がする。少女は自分にとって大きな存在だったような気がする。まるで、彼の中から少女の存在とそれに関わる部分だけがそのまま削り取られてしまっているような錯覚がする。
痛くて辛くて忘れたくて、それでも掛け替えのなかったはずの、誰かだったような――
――まぁ、いいか。
知らない子が何を言っていようが、何に傷ついていようが、それは彼が関与する事柄ではない。
それきり彼は少女から興味を失って、益荒と阿曇を振り返った。少女がその時どんな表情をしたのか彼は知らない。知る必要なんてなかったし、知りたいとも思わなかった。
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