Be praying. Be praying. Be praying.
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サモンナイトエクステーゼより、ベク←リニ。
でもリニアしか出てこない。
一周しかクリアしてないのにゲームの二次創作したのは初めてです。
普段二次創作するゲームは少なくとも二週以上もしくは150時間以上はやり込んでるから。
2/100消化。
でもリニアしか出てこない。
一周しかクリアしてないのにゲームの二次創作したのは初めてです。
普段二次創作するゲームは少なくとも二週以上もしくは150時間以上はやり込んでるから。
2/100消化。
(―――え?)
がくん、と下半身から一切の力が抜けて世界が回転した。気がついたら地面に倒れ伏していて、リニアはばちばちと音がする方向へと緩慢に首を巡らせる。自分の足がショートして火花を散らしているのが見えた。ぼろぼろに溶けた人工皮膚の隙間から大小様々の部品が覗いており、その部品も形を崩して接触不良を起こしている程度ならまだいい方で、酷い部分は部品自体が既に原形をとどめていない。
機械人形であるリニアは痛みを感じない。けれど、いくらなんでもこのような状態で動けるはずもなかった。
さらに視線を後方にめぐらせる。そこに広がっている酸の池。薄く緑のかかった水はどこか毒々しく、それを現すように池の中央部には大きな毒キノコが生えている。光の当たり具合からか濃淡の揺らめく水面は元の色との相乗効果で不気味さを倍増させていた。
強酸の池を突っ切った結果がこれだ。もう動かない両足―――主であるベクサーならば修理もしてくれるだろうが、リニアにはそれが悔しくてならない。そもそもここに来たのはベクサーを助けたかったからなのに。
『白夜』の女の忍と機械兵士を相手に戦ったのはつい最近、と言うよりもむしろ先日の話である。負けたわけではなかったが、勝ちとも言えまい。相手を撤退させることに成功した分まだ助かったと言うべきか。
自分は機械人形だ、痛みは感じず、故障部位とてスペアの部品さえあればいくらでも直せる。しかし、ベクサーは人なのだ。リニアのように便利にできてはおらず、傷の完治にも時間がかかるし、傷が深ければ熱のような症状となってさらに彼の体は蝕まれる。加えユヅキとかいうあの忍に斬られた傷はかなり深く、完治には相当の時間がかかると医者が言った。剣に塗られていただろう毒を今のルガントの村にある薬草や薬では解毒出来ない、とも。
正直を言えば、その時医者を撃ってしまわなかったのが奇跡とさえ言えたかも知れない。頭に血が上り、機械としてのなけなしの理性が激情を制した。
そんなときに『どんな傷でも治す』と言われる水の存在を聞かされたからにはじっと黙ってベクサーの傍にいるだけなどリニアには我慢ならなかった。医者は言った、本当にあるのかどうかも分からない、今までそれを取りに行って戻ってきた者はいない、と。そんなものリニアには関係がなかった。ベクサーを一刻も早く助けれる可能性があるならば試さなければリニアの気が済まなかった。
「……マスター…」
呟きは洞窟内に反響し、けれどそれを聞く者はいないまま静寂が余韻を飲む。
悔しい、とリニアは下唇をかんだ。
悔しい悔しい、自分は彼を助けることさえできない。助けてもらってばかりで、支えてもらってばかりで、出来ることと言ったら銃を用いて彼と共闘するくらい。それだけでは駄目なのだ。リニアがベクサーにしてやりたいことは、たったそれだけで満足するほどささやかではない。
たったひとりの主、たったひとりのパートナー、普段いくら彼に向って毒を吐いていようと失いたくないという思いに変わりはない。
ああ、行かなければ行かなければ。這ってでも、壊れても、指先一本でも動く限り“命の霊水”を求めなければ。それが彼を治す唯一の術であるならば。自分のことなどどうでもよかった。ただ彼が無事でいてくれればいいのに、そのためにリニアは銃を手に取ったのに、本当はリニアが彼のために出来ることなど何もない。
支えてもらう、しか、
腕を使って体をひきずるように動けば足の方からさらに火花の散る音がする。大きく結晶化した鉱石の表面に情けない顔の自分が映っていた。
――――――私は、無力だ。
行かなければという思いだけが先走る。マスターのため。マスター。マスター。マスター。
ベクサー様!
「――――――おい、リニア!!」
不意に声がした。驚いてその主を探せば、ベクサーと自分とで『白夜』のふたりから逃がした『放浪者』の少年が自分を信じられないものを見るような目で見つめていた。確かに今のリニアの状況を見たら誰でも驚くだろう。ぼろぼろに壊れた足を引きずり、這ってでも前に進もうとする、哀れとさえ言える機械人形の姿。
レオンを寄越したのはベクサーだとすぐに想像がついた。結局自分は彼に心配され支えられ、それしか出来ない。何もできない。何も。何も。何も!
そのことを知らしめられた気がして、目の前がぼやける。機械人形であるリニアに涙など存在しない。けれど無性に、泣きたかった。
がくん、と下半身から一切の力が抜けて世界が回転した。気がついたら地面に倒れ伏していて、リニアはばちばちと音がする方向へと緩慢に首を巡らせる。自分の足がショートして火花を散らしているのが見えた。ぼろぼろに溶けた人工皮膚の隙間から大小様々の部品が覗いており、その部品も形を崩して接触不良を起こしている程度ならまだいい方で、酷い部分は部品自体が既に原形をとどめていない。
機械人形であるリニアは痛みを感じない。けれど、いくらなんでもこのような状態で動けるはずもなかった。
さらに視線を後方にめぐらせる。そこに広がっている酸の池。薄く緑のかかった水はどこか毒々しく、それを現すように池の中央部には大きな毒キノコが生えている。光の当たり具合からか濃淡の揺らめく水面は元の色との相乗効果で不気味さを倍増させていた。
強酸の池を突っ切った結果がこれだ。もう動かない両足―――主であるベクサーならば修理もしてくれるだろうが、リニアにはそれが悔しくてならない。そもそもここに来たのはベクサーを助けたかったからなのに。
『白夜』の女の忍と機械兵士を相手に戦ったのはつい最近、と言うよりもむしろ先日の話である。負けたわけではなかったが、勝ちとも言えまい。相手を撤退させることに成功した分まだ助かったと言うべきか。
自分は機械人形だ、痛みは感じず、故障部位とてスペアの部品さえあればいくらでも直せる。しかし、ベクサーは人なのだ。リニアのように便利にできてはおらず、傷の完治にも時間がかかるし、傷が深ければ熱のような症状となってさらに彼の体は蝕まれる。加えユヅキとかいうあの忍に斬られた傷はかなり深く、完治には相当の時間がかかると医者が言った。剣に塗られていただろう毒を今のルガントの村にある薬草や薬では解毒出来ない、とも。
正直を言えば、その時医者を撃ってしまわなかったのが奇跡とさえ言えたかも知れない。頭に血が上り、機械としてのなけなしの理性が激情を制した。
そんなときに『どんな傷でも治す』と言われる水の存在を聞かされたからにはじっと黙ってベクサーの傍にいるだけなどリニアには我慢ならなかった。医者は言った、本当にあるのかどうかも分からない、今までそれを取りに行って戻ってきた者はいない、と。そんなものリニアには関係がなかった。ベクサーを一刻も早く助けれる可能性があるならば試さなければリニアの気が済まなかった。
「……マスター…」
呟きは洞窟内に反響し、けれどそれを聞く者はいないまま静寂が余韻を飲む。
悔しい、とリニアは下唇をかんだ。
悔しい悔しい、自分は彼を助けることさえできない。助けてもらってばかりで、支えてもらってばかりで、出来ることと言ったら銃を用いて彼と共闘するくらい。それだけでは駄目なのだ。リニアがベクサーにしてやりたいことは、たったそれだけで満足するほどささやかではない。
たったひとりの主、たったひとりのパートナー、普段いくら彼に向って毒を吐いていようと失いたくないという思いに変わりはない。
ああ、行かなければ行かなければ。這ってでも、壊れても、指先一本でも動く限り“命の霊水”を求めなければ。それが彼を治す唯一の術であるならば。自分のことなどどうでもよかった。ただ彼が無事でいてくれればいいのに、そのためにリニアは銃を手に取ったのに、本当はリニアが彼のために出来ることなど何もない。
支えてもらう、しか、
腕を使って体をひきずるように動けば足の方からさらに火花の散る音がする。大きく結晶化した鉱石の表面に情けない顔の自分が映っていた。
――――――私は、無力だ。
行かなければという思いだけが先走る。マスターのため。マスター。マスター。マスター。
ベクサー様!
「――――――おい、リニア!!」
不意に声がした。驚いてその主を探せば、ベクサーと自分とで『白夜』のふたりから逃がした『放浪者』の少年が自分を信じられないものを見るような目で見つめていた。確かに今のリニアの状況を見たら誰でも驚くだろう。ぼろぼろに壊れた足を引きずり、這ってでも前に進もうとする、哀れとさえ言える機械人形の姿。
レオンを寄越したのはベクサーだとすぐに想像がついた。結局自分は彼に心配され支えられ、それしか出来ない。何もできない。何も。何も。何も!
そのことを知らしめられた気がして、目の前がぼやける。機械人形であるリニアに涙など存在しない。けれど無性に、泣きたかった。
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