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Be praying. Be praying. Be praying.
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現代版なら、斎たちと安倍家の面子は仲良しさんだといいと思ってる。
むしろ現代版でくらいみんなみんな仲良しでいいよ!



というわけで(どういうわけだ)、no-title第二段。ギャグになり損ねた軽いノリのほのぼの、でしょうか。シリアス畑の碧波さんにギャグなんて不可能です。
益荒さんは過保護でいらんことしぃ(ぇ

 斎は、ぶすくれていた。この年頃の子どもにしては控えめの表情と態度で、けれども普段の彼女を知る者ならそれが顕著に分かる程度にはっきりと。
 だから何故だか安倍家にいる彼女を見ながら、昌浩はまた珍しいこともあるな、と思っていた。
 斎は基本的に、不機嫌になるか保護者二人の過保護っぷりに逃げ出すかした時に安倍家に来る。どうやら紅蓮に懐いているらしく、それに関して嫉妬剥き出しの視線を益荒から向けられていた紅蓮を昌浩は見たことがあった。………しかし正確に言うなれば、懐かれているのは『紅蓮』ではなく『物の怪』のような気もするのだが。

「どうしたの?」

 ソファに座っている斎の隣に腰をおろして昌浩は尋ねた。

「益荒が……」

 ぽつぽつと斎が喋る内容に、昌浩は「あー……」と声を漏らした。あぁ、何かそれ地味にむかつくんだよなぁと斎に共感する。というかパッと見で見つけれるってそれも凄い。流石人外、とよく分からない感想を抱く。
 と、マグカップを一つ持った紅蓮がやって来た。

「ん、昌浩いたのか。お前も要るか? ……斎、ほら」
「……ありがとう」

 紅蓮は斎にそのマグカップを手渡す。ゆらゆらと湯気が揺れ動いていた。甘い匂いがする。ホットココアだ。昌浩は「別に要らない」と首を振った。
 そのタイミングでチャイムが鳴る。日曜日の午後三時過ぎ、新聞の集金もこの時間には来ない、とすると該当するのはあの二人のうちのどちらかだ。

「迎えが来たみたいだよ、お姫様」

 玄関の方に向かって行った紅蓮を見送った後で昌浩は斎に笑いかけた。
 斎はココアを冷まし冷まし飲んでいる。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――





 取り敢えず、益荒は目に見えて動揺していた。この分じゃ、斎は行き先を言っていなかったのだろう、と紅蓮は推測する。一番いそうな確率が高いここに来てみた、というところか。
 益荒と阿曇の斎への溺愛っぷりというか、過保護っぷりというか、無意味なまでの愛情の注ぎっぷりというか、そんなものはとにもかくにもすさまじい。安倍家の子どもも神将に可愛がり倒されて育つが、斎のパターンはそれに輪をかけていると言える。
 まぁうちにいるから落ち着け、と紅蓮は益荒に言う。

「それにしても今度は何があったんだ。珍しく斎が不機嫌そうだったが」

 今度『は』とこの光景がある程度日常化していることにも疑問を思いつつ紅蓮は訊ねる。何にせよ平和はいいことだ。

「いや、それが……何が斎様のご機嫌を損ねてしまったのか、分からん」
「取り敢えず、本当に何した、お前」

 無意識の行動で犯す間違いのタチの悪さを紅蓮は身を持って理解している。される方としてもする方としても。ちなみにする率の方が圧倒的に高い。される方は100%故意なので。

「…斎様がいやに真剣な表情で絵本を読んでおられたから、その答えを言っただけだ」
「ゲームブックか何かか?」
「たぶん」
「ちなみにその絵本、タイトルは」

 タイトルを聞いて紅蓮は、ああ、それは地味にむかつく、と昌浩と同じことを思った。益荒に一切の悪気がないのは分かるのだが、斎は楽しみを奪われた感はするだろう。それにしても喧嘩の内容はそれか。平和すぎる。
 それにしても、確か自分たちは、千年くらい前はお互い敵意を向け合っていたはずだったのだが、何をまかり間違ってこんな会話をする関係に改善されたのだか。

「そうだな、原因はよくわかった。だからまずひとつ突っ込ませろ」
「何だ?」



「子どもの楽しみを奪うな。ウォーリーは自分で見つけることに意義があるんだぞ」

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碧波 琉(あおば りゅう)
少年陰陽師・紅勾を中心に絶えず何かしら萌えor燃えている学生。
楽観主義者。突っ込み役。言葉選ばなさに定評がある。
ひとつに熱中すると他の事が目に入らない手につかない。

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