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Be praying. Be praying. Be praying.
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数学のテストに見たことのない問題がいっぱいでてきてぼろ負けしました。
何でアレンジ加えるんだろう要らないよ解けないよ!
でも漢文は簡単でした。






紅蓮は都に帰る前にこう言うこと思い出して「あ゛ー」って思ってたらいいと思います。
ところで京都-伊勢間って何キロ。

「そう言えばさ、もっくん。どうして勾陣の筆架叉を持ってたんだ?」
 不意に昌浩から投げかけられた問いに思わず遠い眼をしてしまった自分がいて、敢えて忘れていたかったらしいことを思い知った。

「………もっくーん?」
「…もっくん言うな」
 ひとまずお約束の遣り取りを終えてから物の怪はその尾を力なく左右に振った。体の一部を動かして少しでも頭をからっぽにしておきたい願望ゆえの行動である。
 都を発つ前に一応様子を見に行った。行ったのだが、行ったのだが、……正直に言おう。怖かった。未だかつてないほどの怒りの矛先が、八つ当たりと言えども、怖かったし痛かったし背筋が凍った。何だったんだあの迫力はと今でも考える。……訂正。今思い出して何だったんだあの迫力はと考えた。
 理性の人のくせに激情家であることはよく知っていた。自分に対して遠慮呵責の欠片もないこともよく理解している。というかこの身を以て体験済みだ。だからまぁ、八つ当たりくらいはあるだろうと覚悟はしていたのだ。と言うか、自分に期待されていた役回りがたぶんそれだった。――その一回で済むのならこの程度と思えただろう。おそらく。
 しかし太陰から聞いたという話を六合に教えてもらって物の怪は軽く眩暈を覚えた。まだ怒ってるのかあいつは。いや、そりゃああの程度で鎮まってくれると、本気で思っていたわけではないけれど。それでもあれだ。希望とか期待とか願望とか、あったわけだ。ささやかでも。というか収まってくれないと八つ当たられた甲斐がなくなってしまうわけで。その場しのぎなら思いきり八つ当たられ損ではないか。そして帰ったらまた出発前と同じようなことを味わうことになるわけだ。…………俺どう転んでも報われなくないか。
 別に、特別文句があるわけではないのだ。気持ちは分かるし彼女の怒りは理にかなっているし、ただその発散方法が果てしなく理不尽なだけで。何で他の誰でもなくて俺なんだ。いやいいのだけれど。それだけ自分は彼女に近いのだから。その近さゆえに八つ当たりの対象になっていることを嘆くべきかただ純筋に近さを嬉しく思っておくべきか判断に迷うところである。
 あぁ畜生あの冥官有無を言わさず無茶な手法を取りやがって要らん役割を結果的に人に押し付けて自分はさっさと冥府に戻りやがって。それが彼の仕事なのだと理性は一応の納得を示しているものの、今回のことで冥官の「嫌い」の度合いがさらに上がった。と言うかお前があれの怒りの矛先だろう出て来い。
 思考は次第に脱線していったが、しかし彼はよく分かっている。取り敢えず帰ったら八つ当たりされに見舞いに行くことになるのは確実で、その上自分以外の神将はその展開を望んでいるのだ。現に今の段階で既に六合と太陰の物の怪を見る視線はそれとなくその色を宿している。客観的に見て、事情を知らない昌親が心配する程度には物の怪の立場は「可哀想なもの」だ。

「……えとごめん、俺変なこと聞いた?」
 徐々に沈鬱になって行く物の怪の周りの空気を感じ取ったらしい昌浩に物の怪は「いーや」とかなりおざなりに返事した。
「あの筆架叉は、取り敢えずまぁあれだ、色々あって勾から預かってた奴だ」
 まさか勾陣が紅蓮に筆架叉を預けた理由が、言葉を選ばず言えば「自分の代わりに冥官をやれ」だったなど想像できるはずがない昌浩は、物の怪の「答えたくない」が如実に現れた「色々」をそれ以上追及することもなく「そっか」と引き下がった。
 そして自分が頭の中で思っていることの内容で勾陣を指していた言葉がことごとく「あれ」だの「彼女」だので彼女の名そのものは上げていなかったことを、昌浩への返答の中にようやっと「勾」の名が出てきたことで気が付いてしまい、やはり自分にとってあまり有り難くない未来を意図的に忘れていたいらしい自分を思い知った。

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碧波 琉(あおば りゅう)
少年陰陽師・紅勾を中心に絶えず何かしら萌えor燃えている学生。
楽観主義者。突っ込み役。言葉選ばなさに定評がある。
ひとつに熱中すると他の事が目に入らない手につかない。

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