Be praying. Be praying. Be praying.
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昨日ぽろっとこぼした言葉を加月さん(…呼びますからね? 前言撤回はなしですからね!?)が拾ってくださったので、体中の細胞フル動員して書いてみました青后です。
青龍のキャラおかしいです。
ホントに、この子何!? 紅蓮や六合以上に動かしにくいし、つか喋れ。
というわけで(どんなわけだ)ちょっとどころじゃなくいろいろおかしいです。そもそも設定が。BUMP「リリィ」ネタなのでそれに合わせて、青龍がどっかのバンドのボーカルやってます。(爆笑
わぁ考えた自分で大爆笑☆(←
これこそ超パロの真骨頂ですね!(黙って
苦情は受け付けませんからねー(ぇ
青龍のキャラおかしいです。
ホントに、この子何!? 紅蓮や六合以上に動かしにくいし、つか喋れ。
というわけで(どんなわけだ)ちょっとどころじゃなくいろいろおかしいです。そもそも設定が。BUMP「リリィ」ネタなのでそれに合わせて、青龍がどっかのバンドのボーカルやってます。(爆笑
わぁ考えた自分で大爆笑☆(←
これこそ超パロの真骨頂ですね!(黙って
苦情は受け付けませんからねー(ぇ
食事時のファミレスは、家族づれの姿が多い。夜の帳がおりきった窓の外とは対照的に明るいのは照明のせいだけではないはずだ。
誰もが―――一部の例外を除くとして―――各々の時間を楽しく過ごしている中で、その「一部の例外」である彼は相も変わらず眉間にしわを寄せている。
その向かいに座っている天后は呆れたように息を吐いた。
「もう、青龍。せっかくライブが終わったから打ち上げに来たのに、貴方がそれじゃあ台無しじゃない。…打ち上げ、じゃないかもしれないけど」
なんせふたりきりだ。確かに打ち上げとは言い難い。
「…もっと別の店のほうが、よかった?」
「……」
青龍はやっぱり無言だった。もう、と気分を害したように天后が首を傾ける。それは表面上だけで、彼女は別に怒っているわけではないが。ちなみに青龍もまたしかり、これが彼の常である。
この万年不機嫌そうでいつもストレスをためこんでそうで無口で無愛想で人付き合いの悪い青年がインティーズとはいえバンドのボーカルをしているなど、天后でさえ時々疑いたくなる。
―――その時の彼の姿が、声が。何より好きだとはたして目の前の彼は気付いているのだろうか。
「新曲、いくつかあったわよね? 最後の…えっと……『大言壮語も吐いてやろう』ってフレーズの曲、あったでしょう。あれが一番好きだわ」
「……そうなのか」
「青龍?」
青龍の声音がとげとげしい。刺してくるというよりは威嚇している程度に、だけれどはっきりと。
ああ、と天后は青龍に気付かれぬよう少しだけ肩をすくめた。
またきっと変なことで苛ついているに違いない。
感情のコントロールが中途半端に上手い分、時々『何か』臨界点限界までせりあがってくることがあるのだ。もう少し素直に表面に出すか、親友のようにどこまでも冷静であれたら本人も楽なのかもしれないのに。
「…ええ、なんだかいつもより感情がこもってた気がするわ。…あ、あくまで私の主観よ?」
「…本当にそうか」
「違った? 実はあれが貴方の素かしらって一瞬疑ってしまったんだけど……」
会話はまるで誘導尋問だ。青龍の背後から負の気というかそんなものが立ち上っている気がするのは気のせいということにしておこう。それに彼が本当に怒っている時は一瞬にして世界が凍るような錯覚がする人間ブリザードの眼光が責めてくることを天后は知っている。
それから五分としないうちに青龍はぽつぽつといわゆる愚痴の類のものを零し始めた。
ここまで天后の手際がいいのは過去何度も経験があることと友人にこういうことのコツを教えてもらったからだ。友人がどうしてこんなことが上手いのかについてはあえて触れない。
やっぱりいろいろためこんでいたようだ。
ひとつひとつ、天后はいちいち相槌をうちながら聞きに徹する。
―――仄かに笑いながら。
じきに青龍はそれに気がついた。…何故笑う。何が可笑しい、どうしてそんなに幸せそうに―――
その時、『何か』が突破した。
「――――――ふざけるなっ!」
『何』がふざけるなだったのか、怒鳴った彼自身も実は理解していなかった。言葉だけが先走って第二走者は未だ準備できていないと見える。
幸いなことに、轟いた怒号は店内の騒がしさに相殺され、まぎれて消えた。が、最も近しい場所にいた天后はほぼ反射でびくりと肩を震わせ、青龍を凝視した。
覚悟はしていても、やはり怖い。…だが。
青龍は結局、続く言葉を見出すことはできなかった。
己を見てくる彼女の視線が、含んでいるものが、想定外で感情の先走った脳には許容できない色を宿している。
まるで幼子を傍らで見守る母親のそれに似た。
「…ごめんなさい……」
しかしすぐに視線そのものが彼から外される。天后は秀麗なおもてをうつむかせて素直に詫びた。笑っていては失礼だと頭では理解していたのだけれど、やっぱり顔の筋肉は素直だったようだ。
やつあたりの自覚があった青龍は忘れた言葉を思い出せず代わる言葉も見いだせず、怒鳴った手前謝るなとも言えず立ち回りに窮した。
そんな己に一番、腹が立つ。
一方、そろそろと視線だけを動かして青龍の様子をうかがった天后はほうと息をついた。…大丈夫、本気で怒っているわけではない。
もう長い付き合いになる。
それくらいは、分かるのだ。
「…青、龍?」
返答はなかったが、天后は気にせずまたふわりと、春の日溜りのように笑った。また青龍がじと目で睥睨してきたので怒られてはたまらないと口を引き結ぼうとしたが失敗した。
―――だって、貴方があまりにも。
「……ねぇ、青龍。私、青龍の歌、好きよ?」
「何を」
問うても答えは返ってこなかった。
ああ、そうやって。いつもお前は笑うんだ。
何度愚痴っても当たっても。
そうやって、いつでも、同じ笑みで―――
思っていることをおくびにも出さず、相変わらず眉間にしわがよったままの青龍にのばされかけた天后の手は、しかし途中で方向転換して彼女のこめかみのあたりでおちついた。
そして、やはり。想像通りの笑みで。けれど想定外の言葉を。
絶対に言うことはないだろうが、決して嫌なわけではないその言葉を、薄い唇は歌うように紡いだ。
「――――――可愛いひとね」
誰もが―――一部の例外を除くとして―――各々の時間を楽しく過ごしている中で、その「一部の例外」である彼は相も変わらず眉間にしわを寄せている。
その向かいに座っている天后は呆れたように息を吐いた。
「もう、青龍。せっかくライブが終わったから打ち上げに来たのに、貴方がそれじゃあ台無しじゃない。…打ち上げ、じゃないかもしれないけど」
なんせふたりきりだ。確かに打ち上げとは言い難い。
「…もっと別の店のほうが、よかった?」
「……」
青龍はやっぱり無言だった。もう、と気分を害したように天后が首を傾ける。それは表面上だけで、彼女は別に怒っているわけではないが。ちなみに青龍もまたしかり、これが彼の常である。
この万年不機嫌そうでいつもストレスをためこんでそうで無口で無愛想で人付き合いの悪い青年がインティーズとはいえバンドのボーカルをしているなど、天后でさえ時々疑いたくなる。
―――その時の彼の姿が、声が。何より好きだとはたして目の前の彼は気付いているのだろうか。
「新曲、いくつかあったわよね? 最後の…えっと……『大言壮語も吐いてやろう』ってフレーズの曲、あったでしょう。あれが一番好きだわ」
「……そうなのか」
「青龍?」
青龍の声音がとげとげしい。刺してくるというよりは威嚇している程度に、だけれどはっきりと。
ああ、と天后は青龍に気付かれぬよう少しだけ肩をすくめた。
またきっと変なことで苛ついているに違いない。
感情のコントロールが中途半端に上手い分、時々『何か』臨界点限界までせりあがってくることがあるのだ。もう少し素直に表面に出すか、親友のようにどこまでも冷静であれたら本人も楽なのかもしれないのに。
「…ええ、なんだかいつもより感情がこもってた気がするわ。…あ、あくまで私の主観よ?」
「…本当にそうか」
「違った? 実はあれが貴方の素かしらって一瞬疑ってしまったんだけど……」
会話はまるで誘導尋問だ。青龍の背後から負の気というかそんなものが立ち上っている気がするのは気のせいということにしておこう。それに彼が本当に怒っている時は一瞬にして世界が凍るような錯覚がする人間ブリザードの眼光が責めてくることを天后は知っている。
それから五分としないうちに青龍はぽつぽつといわゆる愚痴の類のものを零し始めた。
ここまで天后の手際がいいのは過去何度も経験があることと友人にこういうことのコツを教えてもらったからだ。友人がどうしてこんなことが上手いのかについてはあえて触れない。
やっぱりいろいろためこんでいたようだ。
ひとつひとつ、天后はいちいち相槌をうちながら聞きに徹する。
―――仄かに笑いながら。
じきに青龍はそれに気がついた。…何故笑う。何が可笑しい、どうしてそんなに幸せそうに―――
その時、『何か』が突破した。
「――――――ふざけるなっ!」
『何』がふざけるなだったのか、怒鳴った彼自身も実は理解していなかった。言葉だけが先走って第二走者は未だ準備できていないと見える。
幸いなことに、轟いた怒号は店内の騒がしさに相殺され、まぎれて消えた。が、最も近しい場所にいた天后はほぼ反射でびくりと肩を震わせ、青龍を凝視した。
覚悟はしていても、やはり怖い。…だが。
青龍は結局、続く言葉を見出すことはできなかった。
己を見てくる彼女の視線が、含んでいるものが、想定外で感情の先走った脳には許容できない色を宿している。
まるで幼子を傍らで見守る母親のそれに似た。
「…ごめんなさい……」
しかしすぐに視線そのものが彼から外される。天后は秀麗なおもてをうつむかせて素直に詫びた。笑っていては失礼だと頭では理解していたのだけれど、やっぱり顔の筋肉は素直だったようだ。
やつあたりの自覚があった青龍は忘れた言葉を思い出せず代わる言葉も見いだせず、怒鳴った手前謝るなとも言えず立ち回りに窮した。
そんな己に一番、腹が立つ。
一方、そろそろと視線だけを動かして青龍の様子をうかがった天后はほうと息をついた。…大丈夫、本気で怒っているわけではない。
もう長い付き合いになる。
それくらいは、分かるのだ。
「…青、龍?」
返答はなかったが、天后は気にせずまたふわりと、春の日溜りのように笑った。また青龍がじと目で睥睨してきたので怒られてはたまらないと口を引き結ぼうとしたが失敗した。
―――だって、貴方があまりにも。
「……ねぇ、青龍。私、青龍の歌、好きよ?」
「何を」
問うても答えは返ってこなかった。
ああ、そうやって。いつもお前は笑うんだ。
何度愚痴っても当たっても。
そうやって、いつでも、同じ笑みで―――
思っていることをおくびにも出さず、相変わらず眉間にしわがよったままの青龍にのばされかけた天后の手は、しかし途中で方向転換して彼女のこめかみのあたりでおちついた。
そして、やはり。想像通りの笑みで。けれど想定外の言葉を。
絶対に言うことはないだろうが、決して嫌なわけではないその言葉を、薄い唇は歌うように紡いだ。
「――――――可愛いひとね」
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